滋賀の有志がやけどのモンゴル人少年の治療費募る(朝日新聞2016年5月7日)

 

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4月オソフ君

4月に来日したときのバーサンフー・オソフイレーデゥイ君

モンゴル人の男児(8)のやけど痕を日本で治療するため、琵琶湖を研究する環境学者や県内の医師が治療費や入院費の寄付を募っている。男児の住む県に、琵琶湖の約4倍広いフブスグル湖(2760平方キロメートル)があり、研究者らが何度も現地を訪ねていることが縁になった。6月予定の手術費全額を含む180万円を目標としている。

男児はバーサンフー・オソフイレーデゥイ君。モンゴル北部、ロシア国境にあるフブスグル県の小学3年生。生後8カ月の時、熱湯入りの魔法瓶が倒れて左半身に大やけどを負った。一命はとりとめたが、皮膚の伸縮性が乏しくなる後遺症が残った。成長に伴い左腕の皮が突っ張り、ひじが曲がったままになってしまっており、重い物を持つときなどに痛むという。

男児のことを、県立大などに留学経験があり、琵琶湖の環境調査研究をしていたモンゴル在住のハドバータル・ダリジャブさんが知人を介して聞きつけた。「日本なら、進んだ医療が受けられる」と、留学時の恩師で、長くモンゴルの湖沼の研究に取り組む熊谷道夫・立命館大学教授に相談。熊谷教授が、送られてきたやけど痕の写真を医師らに見せたところ、「手術で回復する可能性がある」との見解が得られたという。

手術の詳細などを決めるため、オソフイレーデゥイ君は4月末に初来日。京都大学付属病院(京都市)で診察を受け、6月に再来日し、皮膚を伸ばす手術を受けることが決まった。

ハドバータルさんによると、男児の父は現在職がなく、母が幼稚園で洗濯を手伝って生計を立てるなど経済的に厳しい。オソフイレーデゥイ君を支援しようとの動きは地元でも広がり、初来日に合わせ、日本円で約4万5千円分の寄付が集まったという。

寄付金の振込先は滋賀銀行南草津駅前支店、普通口座886655「WWCF―Japan」。問い合わせは熊谷教授(090・3161・4690)へ。(杉浦奈実)

 

朝日新聞2016年5月7日

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